ご覧頂きありがとうございます。神戸のリペアショップ「stuts(studio nuts)」です。

さて、最近はスプレーでシュシュっと除菌、洗濯みたいな製品が多く販売されていますよね?
有名なところで言えば、熱血でお馴染みの元プロテニスプレーヤーが父親を演じ、「なんか臭くない?」、「そんな時はシュシュっと!!」っていうCMでお馴染みのあの製品なんかです。

実は、私も昔は大変お世話になっていました。
一日中歩き回ったような日の、革靴のそれはムレること、ムレること!もう本当に「クレヨンしんちゃん」のお父さん状態ですね。
周りに指摘される前に、自分で耐えられなくなって帰宅するなりお風呂へ直行!
脱いだ靴には、例のスプレーをシュシュっとといった感じで、大変お世話になっていました。

しかし、そこでふっと疑問に思ったんですが、スプレーをしただけで靴からバッグからカーテンからソファまで、家中至る所が洗えるようなCMですが、本当に洗えているんでしょうか?
っというわけで、今回は革製の靴やバッグ、ソファのお手入れとしてのスプレー洗浄について考えてみました。

【そもそも洗うとは?】

「洗う」を辞書で調べてみると、水の中でこすり、もみ、石鹸などをつけるなどをして汚れを落とす意となっています。
まあ書いて字の如し、サンズイがありますので、洗う行為には水が関係していることが容易に想像できますね。

【シュシュっと洗える?】

さあ、そこで本題のスプレーで洗えるのかというところですが、結論から言いますと洗うことは出来ません。
辞書の意味通りなんですが、スプレーでシュシュっとして除菌などは出来たとしても、付着した汚れが魔法のように消えてなくなるなんてことは起こりません。
なので、バッグや靴、ソファなどをシュシュっとして除菌、殺菌は出来たとしても、それを拭き取らなければ効果が無くなった時に菌がまた繁殖を始め、逆に残った残留物がカビなど別の菌のエサになる可能性もあり得ます。

 

【なんと!シュシュっとが危険な場合も。】

さて、そんなスプレー式の除菌、洗浄剤ですが、調べてみますとちょっと危険なケースもあるようなんでご紹介致します。
まず、バッグや靴、ソファなどなど革製品には全て言えますが、革には鞣しや仕上げなどで、それぞれの製品に合った加工が施されています。
そんな革製品に、化学薬品であるスプレーが掛かってしまうと染みを作ったり、革を傷めたり、最悪の場合は加工が剥がれたりしてしまう可能性もありますので注意が必要です。
特に、最近では多種多様な革が開発されているため、革専用のメンテナンス用品だったとしても加工などの相性の問題で、不具合を引き起こすようなケースも出て来ています。
革のメンテナンスというと手間が掛かるので、ついついシュシュっとしたくなる気持ちも分かりますが、そこは革の事を考えて専用のメンテナンス剤でお手入れしてあげると良いと思います。

また少し余談ではありますが、スプレー中にはアレルギー作用を起こしやすい成分である第4級アンモニウム塩というのが含まれているそうです。
これは子供や肌の弱い人が触れると、アレルギーがひどくなったり、肌が荒れてしまう可能性がある成分なんだそうです。