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本日は、LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)ヴェルニのキーケースの修理ご相談を頂きましたのでご紹介致します。

【データ】

ブランド/製品名:LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)/ヴェルニ
製品種別:キーケース
カラー:ホワイト
劣化状態:汚れ、黒ずみ、スレ傷等
ご依頼内容:クリーニング+スレ傷補修+補色+エナメルコーティング

【before】
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今回は、ルイヴィトンではお馴染みのエナメルライン、ヴェルニのキーケースのご相談を頂きました。

パテントとも呼ばれますエナメル膜に、ルイヴィトンの代名詞でもありますモノグラム柄が型押しされたヴェルニラインです。

エナメル素材は丈夫と言われ、実際に耐久性の高い加工ではあるんですが、それは水分や、スレ傷に対してのもので、どんなダメージにも強いというわけではありません。

こちらのキーケースで一番のご相談内容としましては、表面のエナメル部分に付いている赤やグレーっぽいインクの痕です。
左上の写真で、キーケースを閉めた状態で蓋の右下部分に何か剥がれたような痕がお分かりになるかと思いますが、これがインク痕になります。
何か印刷物と一緒にバッグの中に入れて、たまたま長時間放置されていたそうですが、その印刷文のインクがキーケースに写ってしまったという状態です。

これは、エナメル素材でよくご相談を頂く特有のダメージで、転写と呼ばれるものです。
現在売られているほとんどのエナメル製品は、ウレタン成分のエナメル膜で加工されていますが、そのエナメル膜の成分の関係上、印刷されたモノのインクを吸うという特性を持っています。
そのため、新聞や雑誌などの上にエナメル製品を長時間置いておくと、インクがエナメルに写り雑誌などの文字が印字されてしまうんですね。

このエナメル素材の転写のタチが悪いのが、エナメル膜を突き抜けて、エナメルの下の層に転写されてしまうということです。
エナメルの膜の上にインクがあれば、特殊な薬品などで除去出来る可能性があるのですが、下の層に転写されてしまうと表面を拭き取ろうが、擦ろうが取ることは出来ません。

今回は、転写の他にエナメル膜の硬化も出始めていて、外周部分のひび割れなども目立ってきています。
修理内容と致しましては、スレや傷、ひび割れの修復をさせて頂いてから、お色直し、そしてエナメルの再コーティングという内容でご依頼を頂きました。

オーナー様、この度はご依頼頂きまして誠にありがとうございました。
また気持ち良くお使い頂けます様、しっかりとリペアをさせて頂きますので、完成まで今しばらくお待ちください。

それでは、仕上がりはまた後日ご紹介致します。