ご覧頂きありがとうございます。神戸のリペアショップ「stuts(studio nuts)」です。

さてさて、本日は革が出来るまでをご紹介したいと思います。

皆さんの周りに溢れている革製品、バッグや靴などといったアパレル製品、ソファなどの家具製品、野球のグローブやゴルフ用品、馬具といったスポーツ用品、車のシートやハンドルといった自動車用品と、ざっと思いつくだけでも革が使われた製品は多く存在します。

では、そんな革ですがどのように製品化されるのでしょうか?
まさか動物から皮を剥いで、そのままバッグなどになるわけではありません。
皮から革になるまでには、タンナーと呼ばれます革の加工をする職人さん達が数多くの工程をこなして製品になります。

今回は、簡単ではありますがその一部をご紹介したいと思います。

現在の革の加工技術が開発される以前は、動物から剥いだ皮から肉片を削り落として乾燥させていました。
乾燥後に、叩いたり、擦ったり、揉んだりして、物理的に手触りを柔らかく処理が行われていたんだそうです。

その後、煙で燻したり、動物や植物の油を塗り込んだり、植物の液に漬けたりなどといった加工方法が開発されるにつれて、以前よりもより柔らかく、丈夫で耐久性の高い革が作られるようになりました。
特に、植物の樹液であるタンニン材を使用したタンニンなめしは現在でもよく見られる革の加工方法です。

現在では、クロム化合物を使ったクロム鞣しが革加工の大半を占めており、主流の鞣しとなっていますが、近頃はクロム鞣しから出る排水の環境問題から、より環境にやさしい革の加工方法の開発が活発になっています。

【代表的な皮の加工手順】

革の加工というと「なめし」という作業をすることは有名で、特に革好きの方はこのなめし方法によってのこだわりをお持ちの人も多いのではないでしょうか?
ただ、この「なめし」という工程は、細かくいうと皮から革に加工する工程のごく一部分のことを指し、なめし作業をしたからといってすぐに革になるわけではありません。

①準備工程
貯蔵や脱水のために塩漬けされた皮から、毛や革を形成するコラーゲン繊維などといった部位以外の不必要な箇所を除去する工程です。
この工程の代表的な作業としましては、水づけ、フレッシング、脱毛・石灰付け、分割、脱灰、ベーチングといった作業になります。

②鞣し工程
上記の準備をした革に、なめし剤を使用して安定した性能を持った革素材へと変えていく作業を言います。
鞣し工程の代表的な作業は、ピックリングと鞣しという作業です。

③再鞣し、染色、加脂工程
②で鞣した革に、更に製品として求められる機能性を与えるため、再なめしや染色、加脂などを行う作業です。
この工程は、シェービング、中和、再鞣し、染色、加脂が代表的な作業手順になります。

④仕上げ工程
最終的に革として完成させるための作業になります。
代表的な工程は、乾燥、味入れ、ステーキング、塗装、プレス処理です。

 

いかがでしょうか?
普段、何気なく使っている革製品ですが、動物の皮から私たちの手に渡るまでに、本当に様々な工程を経てきているんですね。