ご覧頂きありがとうございます。神戸のリペアショップ「stuts(studio nuts)」です。

本日から『各ブランド商品の特徴』や『ブランド別のよくご相談を頂くお悩み』のご紹介をしていきたいと思います!

さて、記念すべき第一弾は『LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)』で多く使われているヌメ革についてです。
モノグラムラインの持ち手、ベルト、底などによく使われていますよね。
ヌメ革は「これぞ革ですっ!」といった、とても良い風合いを楽しめるものなのですが、結構手のかかる革なのです・・・。
まずは、ヌメ革のご説明から。

【ヌメ革】
タンニン鞣し(植物の渋で革を鞣す加工)で加工し、染料や顔料を使わずに仕上げた革。
ナチュラルレザーとも呼ばれます。
染料や顔料で仕上げた革は、もともと皮革にあったキズや血筋・シミなどを隠せますがヌメ革はそれができません。
その分、キズなどの少ない高価な原皮(加工前の皮革)を使用しているとも言えます。

染料・顔料を使っていないので、革そのものの表情を楽しめる革なのです!
が、逆に表面を守る加工は何もされていないので、水分・汚れなどにはとっても弱いデリケートな革ということにもなります。
上手にエイジングをするとヌメ特有のオフホワイト色からアメ色に変わり、また一段とカッコよくなるのですが、勝手にそうなってくれるものでもないのです・・・。

1.革が割れてくる。
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一見、きれいにお使いのように見えるヴィトンのヴェルニですが・・・
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乾燥して、擦れたり。
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ひび割れています。
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ベルト調整部分も、割れてしまっています。

こうなる原因は「革の乾燥」です。
革もお肌と一緒で、油分でカバーしてあげないと乾燥が進みます。
肌と違うところは、自分で油分を代謝できないという事。
なおさらオイルで保湿をしてあげないといけません。

2.水濡れによるシミ。
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エイジングしてアメ色になってるように見えますが・・・
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シミだらけです!

一枚目の写真でもわかるように、こちらも少しひび割れが発生しています。
水分によるシミは、乾燥した革が深く水を吸い込んでしまうことで起こります。
鞣しで使った「タンニン」の色が、水分子であっちこっちに動かされてしまいシミになるのです。
このような革の深層部でできてしまったシミはクリーニングでは取れません・・・。

せっかくのお気に入りのブランドバッグがこうなってしまっては悲しすぎる!!
バックの使用頻度で回数も違うのですが、月に一回でも良いので革のお手入れをしてみてください☆
特に持ち手部分がヌメ革だと、手の皮脂・汗でさらに革が傷んでいきます。

では、ヌメ革のメンテナンスのポイントをご紹介。

●新品に近いうちは、クリーニングは必要ありません。
むしろ、クリーナーを吸い込んでしまい、変なシミを作ってしまうことになりますのでご注意ください!!!
ケアクリーム・クリーナーではなく、完全に油性の保湿オイルを薄く塗りこんであげてください。

●持ち手部分などの手垢の黒ズミは、クリーナーやソフトガミなどでまず落とす。
表面に汚れがついている場合は、保湿オイルを塗りこんでも浸透しません。
ヌメ革用のクリーナー・ソフトガミで優しく汚れを落としてから、保湿オイルを塗りこみます。

●革用の防水剤・プロテクターをしておく。
保湿オイルで革を潤わせた状態の上から、防水加工をしてください。雨などからしっかりヌメ革を守ることができます。
手垢などもつきにくくなりますよ!
注意点としては、保湿オイルを塗ったばかりの時は表面に油脂がたくさん残っており、この状態は防水剤が定着せずに効果を発揮してくれません。
保湿オイル→二週間後ぐらいにプロテクター→また二週間後に保湿オイル
ぐらいのローテーションでケアするのが良いかと思います!

ヌメ革は保湿をすることにより、とってもカッコよいアメ色に変化してくれます。
革のエイジングを楽しむ意味では一番の革だと思います☆
ヌメ革を使用しているヴィトンのラインをお持ちの方は、ぜひお試し頂きたいです!

メンテナンス方法で紹介したクリーナーやオイル等は市販でたくさんの種類が出ていますが、当店でもオリジナルのクリーナー・オイルを販売しております。
特に油性保湿オイルは有機溶剤・合成剤不使用の100%自然素材で作ったオイルで、肌についても問題ない、というよりは肌にも良いぐらいの安心で安全な保湿オイルです!