ご覧頂きありがとうございます。神戸のリペアショップ「stuts(studio nuts)(スタッツ(スタジオナッツ))」です。

本日はHERMES(エルメス)ケリーウォレットのメンテナンスのご相談を頂きましたのでご紹介致します。

【データ】
ブランド/製品名:HERMES(エルメス)/ケリーウォレット
製品種別:2つ折り財布
カラー:オレンジ
現在の状態:お財布全体汚れ、黒ずみ、色褪せ
ご依頼内容:クリーニング+保湿メンテナンス

【before】

 

本日は、エルメスのお財布の中でも人気の高いケリーウォレットのご相談を頂戴しました。

ブランドの中でも、絶大な人気を誇るケリーバッグのデザインが元になっているお財布です。
エルメスのイメージカラーにもなっていますオレンジ色が印象的で、シンプルでも飽きの来ない洗練されたデザインと、高い職人技で製作された堅牢性は、さすがエルメスといった感じですね。

今回のご依頼内容は、お財布のメンテナンスです。
革製品に必要な汚れ落としと、保湿のお手入れをさせて頂きます。

やはり、普段使っているお財布やバッグなどの革製品。
目には見えなくても、ちょっとずつ手の油や空気中の汚れなどが蓄積してしまっています。

エナメルなど、革の加工によって違いはありますが、革製品を使っていると、買った時よりも艶が出てくるように思いませんか?
毎日、徐々徐々にに変化していくため、意外と気付かない事が多いのですが、例えばインターネットや店頭などで自分が持っている物と同じ製品を見た時に、「あれ?こんなんだったっけ?」なんて思われたことありますよね?

実はあの艶は、手垢などから浸透した油分が革に浸透して出てきたテカリなんです。
もちろん皆さんご存知のように、革の保湿は大変重要なため、加脂作業という油分の補給は重要になります。
しかし、この加脂作業ですが、なんでもかんでも油を塗り込んだらいいというものではありません。
然るべきオイルを、然るべき量で擦り込むから、革が長持ちするお手入れになるんです。
※鏡面磨きなど、革のお手入れとして艶を出すメンテナンス方法もありますのであしからず。

この手垢などから発生した艶、放置すると大変な事態に発展する危険性を秘めています。
まず、油分が革に蓄積していくと、余分な油の影響で革が乾燥していき、ちょっと折り曲げただけで割れてくるなどの症状が発生します。
また、バッグの持ち手なんかでよく見かけますが、ヌメ革などの分厚い革の場合は、厚みのある革に油分が蓄積して、これでもかとい言うくらい黒ずんでくるんですね。

毎日使っていると徐々に変化していくため、その小さなダメージに気付きにくいんですが、人間に疲労が溜まるように、確実にダメージが蓄積していきます。
本格的なお手入れではなく、簡単な汚れ落としや保湿でも効果はあります。
普段あまりレザーメンテナンスをされない方は、たまには大事にされている愛用の革製品のメンテナンスをしてあげて下さいね。

それでは、今回ご依頼頂きましたお財布がどのような仕上がりになるかは、また後日ご紹介致します。