ご覧頂きありがとうございます。神戸のリペアショップ「stuts(studio nuts)」です。

さて、今回はリペアショップ「stuts(studio nuts)」流の、修理屋さんから見たレザーソファの選び方をお伝えしていこうと思います。

ちょっと前までは、革のソファってなんだかすごい高級品と言いますか、高いっていうイメージがありましたよね。
最近ではニトリさんやイケアさんなどの出現で、だいぶお手頃な革のソファも出て来ていますが、それでも気軽に買い替えられるというモノではありません。

当工房にも、今まで本当にたくさんのソファ修理のご相談を頂きました。
修理内容については様々ですが、個人のお客様から家具屋さん、雑貨屋さんや引っ越し屋さんなどなど、本当に色々なお客様より修理のご相談を頂いてきました。
その中から、お客様から伺ったお話や修理作業から考える、革の修理屋流レザーソファ購入時の選び方をご紹介していきたいと思います。

 

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◆ポイント1:ソファパーツの取り外しは出来ますか?◆

ソファのデザイン、タイプには様々なモノがありますが、座面や背もたれ、肘置きなどを取り外す事は出来ますか?

当工房に革ソファの修理相談を頂く平均使用期間は、およそ8~10年程度です。
20年以上もソファを使われている方も多く、革ソファはお手入れ次第で長い期間使用出来る耐久性の高い製品なんです。

ただ、そんな長い期間使っていますと、どんなモノでもどこかしらに綻びは発生します。
ソファメーカーさんも、修理することを見越してソファを製造されているところも結構多いんです。

さて購入した革のソファですが、もうかなりの年数が経ち、座面の傷やひび割れも目立ってきたけど気に入っているから修理の相談でもしようかなという時に、座面などのパーツが外れないとちょっと厄介なんです。

ソファのダメージのほとんどは、人の体が触れる3点(座面、背もたれ、肘置き)に集中します。
修理箇所も、テレビの前のよく座る場所だったり、よく触れる箇所など、一部分を重点的に修理する事が多いんです。

いざソファの修理をしようとした時にそのソファパーツが外れると、その修理が必要なパーツだけの修理でよくなり修理費用を抑える事が出来るようになります。
またソファのパーツが取り外しが出来ると、ご自身で修理工房に持ち込んだり、宅配便で送るなんて事も出来るため、大掛かりに業者が来ることもありません。

そんな利点から、修理をするという前提ですが、長い目で見た時にパーツの取り外しが出来る方が修理費用を抑える事が出来るため、購入時にはお薦めです。

 

◆ポイント2:ソファのステッチ、縫製のデザインを確認しよう!◆

大きな革のソファを作ると言っても、革素材の大きさには限界があります。
元々は自然の動物の皮なので、大きなソファを一枚の革で丸々包むなんて言うことは不可能です。

そのため、ソファメーカーさんも一台のソファを作るために、無駄なくカッコよくソファを作れるように試行錯誤をしているんですね。
そこには、見た目としてのデザイン的な観点やコスト的な観点など、様々な要素でソファ作りをされているんですが、そこで出てくるのが革を繋ぎ合わせる縫製です。

ソファの修理事例の中でも多いのが、座面部分の糸ほつれです。
座面部分には毎日のように人が座るため、そこには大変な負荷が掛かるようになっています。
体重の重みの負荷だけでなく、座り直した時に起こる摩擦なども座面に掛かる負荷の一つです。

革素材自体は、動物の皮膚組織で繋がっているので丈夫なんですが、縫製されているような部分は糸で繋ぎ合わされているだけなので、どうしても耐久性は劣ってしまうんです。

そのため、縫製などがされている座面部分から糸がほつれて、パカっと開いてしまったという事が起きるんですね。
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もちろんソファメーカーさんも裏側から補強するなどの対策はされていますが、ソファの革部分の耐久性を考えますと座面などの人が触れる箇所には、出来る限りステッチが少ないソファをお選び頂くのがお薦めです。

 

◆ポイント3:ソファに使っている革素材は?◆

さて、最後のポイントはソファの使われている革素材です。

ソファ売り場に行くと「本革使用」などといったPOPを目にしますが、この本革という言葉がすごく曖昧な言葉なんです。
動物の皮を主原料に加工された素材を一般的に本革なんて呼ばれていますが、本革の中にも銀付、床革など加工方法や使っている部分の違いで様々なモノがあります。
中には、床革と呼ばれる革の裏面側の素材を粉砕し、シート状にしてから本革のような加工をしているモノも、使われている素材は粉砕していても床革なので本革なんて説明している場合もあります。

革素材では銀面というのが革の表面の事を指しますが、元々の動物の皮膚の表面であった銀面が付いている革が一般的に思われている本革というモノで、イイ革素材の条件になります。

ソファ購入時には、本革という言葉で判断するのでは無く、販売店さんなどにどのような革が使われているのかを伺ってから買われる事をお薦めします。

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気軽に買い替えるモノでは無いからこそ、インテリアやお部屋の大きさなどに合わせて、こだわりを持って買われる方も多いのではないでしょうか?
今回は革の修理屋の観点から、革のソファ選びのポイントをご紹介致しましたが、少しでも今後のレザーソファ購入時の参考にして頂ければ幸いです。

革製品のお悩み、お困り事は是非「stuts(studio nuts)」まで!!
革のソファの修理、補修からファブリックソファの張替え、その他にもバッグや財布などの革製品の修理を承っております。
もちろんご相談、お見積は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。