ご覧頂きありがとうございます。神戸のリペアショップ「stuts(studio nuts)」です。

今回は、革製品の大敵「カビ」についてお話させて頂こうと思います。

「革のシーズンオフになったから。」「デザインや形が今の気分じゃないから。」「普段使い用ではないから。」などなど、バッグや靴、ジャケットなどの革製品をクローゼットや押し入れにしまって、久々に取り出したらカビが生えてたなんて経験はお持ちじゃありませんか?

意外と多い、革製品のカビのお悩みやお困り事。
「stuts(studio nuts)」にも、大変多くのカビ修理のご相談を頂きます。

そこで、今回は革製品のカビのお話と、stuts(studio nuts)流カビの対処方法などをご紹介していきたいと思います。

レザージャケットのカビブーツのカビ

 

◆カビの原因、基本の3つ◆

さて大切なバッグやブーツなどにカビが生えてしまったなんて経験や、お話を聞いた事がある方も多いと思いますが、革製品にカビが生えてしまった状況はどんな時でしょうか?

毎日使うようなバッグやお財布にカビが生えてしまったというようなお話は、あまりと言いますかほとんど聞いたことはありません。
革製品にカビが生えてしまったというお話の、そのほとんどが押し入れやクローゼットでの長期保管の時なんです。
ほとんどの場合、この長期保管時にカビが生えてしまう要素が揃ってしまって、次に取り出した時には大変な事に、、、

基本的なカビの発生原因としては、主に下記の3つを挙げる事が出来るんですが、カビの対策としましては、保管の時にカビが大好きな下記の3つを揃えないという事が重要になってきます。

1.湿度(70~80%)

2.温度(20~30度)

3.栄養

 

◆カビを予防する革製品の保管のポイント◆

カビが発生する原因としましては、「湿度」、「温度」、「栄養」という3点がある事が分かりました。
カビの発生をしっかりと抑えるためには、発生原因である3点への対策が必要になりますが、この中の1つでも対策するだけでカビの発生を抑える事は出来ます。

それでは、それぞれの原因に考えられます対策を考えていきたいと思います。

 

①湿度

クローゼットや押し入れなど、保管場所の湿度が70~80%程になるとカビが発生しやすい状況になります。
湿度の対策として一番簡単で、コストの掛からない方法としては換気が挙げられます。
クローゼット内に保管しているバッグや靴などの革製品を、定期的に外に出して風通しの良い場所で換気する。
またクローゼットなどの扉を開けて、中の空気を換気する事も重要です。

しかし、定期的に出して換気すると言っても結構手間で、忘れてしまう可能性があります。
そんな場合は、市販で売っている乾燥材や除湿剤を使っての除湿でもカビの対策になります。

また革製品の保管時に、購入した時のブランドの箱に入れて保管している方も多いと思いますが、箱の中に入れっぱなしでの保管はカビが生えてしまう可能性を上げてしまいます。
出来る限り革製品を剥き出しのまま保管して頂くのが良いんですが、収納の関係上で箱に入れないと片付けられない場合は乾燥材を入れ、定期的に箱から取り出すようにして頂くといいと思います。

 

②温度

温度の対応策はなかなか難しく、簡単に出来る方法というのがありません。
もちろんクローゼット内にエアコンなどを完備して、温度、湿度を一定に調整できるのであれば越したことはありませんが、なかなか革製品のためにエアコンを取り付けるというのも無理な話です。

温度の対応策としましては、湿度の対応策と一緒で換気が挙げられます。
クローゼット内に籠もり上がってしまった温度を、定期的に換気して下げてあげるという事が重要になります。

 

③栄養

カビの発生原因になる栄養は、様々なモノが考えられます。

空気中の塵や埃はもちろんですが、使っている間に付いた手垢や皮脂、その他様々な汚れがカビの栄養になってしまいます。

栄養に対しての一番の対策としましては、保管前のお手入れです。
保管前に、革専用のクリーナーなどで皮革部分の汚れ落としを行う事が非常に重要です。

使ったままの汚れを放置して、クローゼットなどの通気性の悪い場所に保管してしまいますと、その汚れを栄養にたちまちカビが増殖してしまう可能性が高くなります。
どうしても手間が掛かってしまいますが、大切な洋服をシーズンオフにクリーニングに出すように、革製品もお手入れをしてあげる事が重要になります。

ただカビの原因としまして、革のお手入れに使います保湿クリームなどがカビの栄養になっているケースもあります。
乾燥を防ぐために、保湿クリームは必要なんですが、塗り過ぎにはご注意ください。

 

上記以外のポイントとしては、保管する前に2、3日風通しのいい場所で乾燥させてから仕舞うとカビが生えにくくなります。
これは保管寸前まで使っていたバッグや靴には、表面は乾いているように見えても、中に湿気や汚れが浸透している可能性があります。
そのためシーズンオフで仕舞う際には、すぐにクローゼットなどに入れるのではなく、すこし乾燥させてから保管するようにして下さい。

 

いかがでしたでしょうか?

stuts(studio nuts)流、カビと革製品保管のお話でした。
革製品は、加工や性質、特製上、他の素材に比べますとカビが生えやすい素材になってしまいます。
「なんだか手間の掛かる素材で面倒だな、、、」
なんて思われた方も多いとは思いますが、ちょっとした手間で大切な愛用品をカビから守ることが出来ますので、参考して頂ければと思います。

シーズンオフの保管時に、ちょっとでもお役に立てれば幸いです。

革製品のお悩み、お困り事は是非「stuts(studio nuts)」まで!!
革のバッグ、靴、ブーツやジャケットなどなど、革製品のカビ修理も承っております。
もちろんご相談、お見積は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。